【ツール選び②】国内ツールと海外ツール、どっちがおすすめ?

こんにちは!LincWebの水野です。

個人事業主向けのビジネス自動化ツールは、元々米国を中心とする海外ツールが主流でしたが、最近は国内で開発されたツールも出てきています。海外ツールも国内ツールも、おおざっぱに見れば一見機能自体に大きな差はないので、どちらを選べばよいのか、迷ってしまうかたもいるのではないでしょうか。

そこで第2回は、国内ツールと海外ツールの違いや特徴についてご紹介し、個人事業主がビジネス自動化ツールの導入を進める際にどちらを選ぶのがよいのか、LincWebとしての考えをお話したいと思います。

【ツール選び】シリーズ記事一覧(全3回)
第1回 ツール導入を成功させるための心構え
第2回 国内ツールと海外ツール、どっちがおすすめ?
第3回 2025年版 個人事業主向け自動化ツール比較

目次

国内ツールと海外ツールの違い

私は日本のIT企業で16年間、そしてその後転職した海外の日系IT企業でシステム開発・運用に携わる中で、様々なソリューションを扱ってきたこともあり、これまで国内と海外の数多くのITサービスを見てきました。

そこで感じたのは、サービス提供に対する考え方の違いです。この考え方を理解しておかないと、サービスを利用する中で、こんなはずじゃなかった!と思ってしまう場面もあるかもしれません。

ちなみに、みなさんMicrosoftやGoogleなどの海外発のサービスを普段使っていると思います。これらの企業は各国に現地法人をおいてローカライズやサポートを行っており、今回お話しする海外ツールとは少し異なる部分もあるかもしれません。ただ、根本的な考え方に大きな差はないかなと思っています。

本質的な違いはなにか?

まず事実として、日本人として残念なことではあるのですが、日本発のITサービスで現状世界的に広く使われているものはほとんどありません。それはなぜだと思いますか?

これには、日本と海外との「ある違い」が関係していると考えています。
日本人はマーケティングが下手だからでしょうか?あるいは言語の問題でしょうか?

たしかにそれもあるかもしれません。でも、必ずしも日本人全員がマーケティングが苦手なわけではないですし、言語については英語対応すれば問題は解決されそうなものです。

では何なのか?
私は、もっとも根本的な理由は「日本のお客さんが求めるレベルが高いこと」にあると考えています。そして、この高いレベルに合わせてITサービスを開発するのが「あたりまえ」になっていることが、それ自体の良し悪しは別として、世界に売れなくなっている要因になっていると思うのです。

では、高いレベルに合わせてITサービスを開発しようとすることで、いったい何が起きているのでしょうか?

  • 日本のお客さんは、自分の仕事のやり方に合わせられるITサービスを求める傾向にあり、できるだけ細かく柔軟にカスタマイズできるサービスを好むため、時間とコストをかけて多様なニーズに対応する必要があります。
  • 日本のお客さんは高い品質を求める傾向にあるため、多岐にわたる試験を行う必要があるうえに、バグが発生した際のクレームのコストも大きくなりがちです。結果としてコストが高くなり、開発期間も長くなります。
  • コストと開発期間の長さゆえに、とりあえずやってみようというフットワークの軽さが失われがちです。結果として新しい革新的なアイデアが実装されづらく、競争力の高いサービスが生まれにくい土壌になっています。

このような日本特有の状況があるため、日本のITサービスは品質は高い反面、スピード、価格、革新性といった面で海外サービスに負けており、結果として世界では使われない、といった構図になっているのです。

しかし、大本にあるのは日本のお客さん(=私たち自身)のニーズに他なりません。これは誰が悪いというよりは、日本人の文化や気質の特異性がそうさせている、と言えるでしょう。

サービス品質や信頼性に対する評価の違いを表す手のジェスチャー(日本と海外で重視される観点の違い)

ツールとしての違いは?

さて、話を戻して、ここまであげてきた国内ツールと海外ツールの違いを整理してみましょう。

観点国内ツール海外ツール
品質〇(事前に入念なテストを行う)×(使いながら不具合を解消していく)
革新性×(新しいアイデアが実装されづらい)〇(アイデアがあればまずやってみる)
開発スピード×(すべての準備が整ってからリリースする)〇(おおむね使える状態になればリリースする)
価格×(高くなりがち)〇(安いものから高いものまである)
サポート〇(日本語/サポートの質は高い)×(英語/サポートの質は悪いことが多い)
国内ツールと海外ツールの特徴の比較

私のこれまでの経験から言うと、個人事業主向けのビジネス自動化ツールについては、まさにこの傾向が見られると言えるでしょう。特に、サポートの質が問題になることが多いです。サポート担当者の(言語の問題ではなく)理解力や技術知識が足りていないこともあり、状況を説明して問題解決に至るまで時間がかかることも多々あります。ただし、これはツールベンダーによるところも大きく、サポートをしっかり提供している業者もあります。

また、あまり使われていない機能でバグに遭遇することも珍しくありません。特に、言語や通貨に関わるバグも多く、多言語対応/日本円対応となっていても、日本語を入力して問題無く動作するか、日本円で正しく決済されるかを、必ず事前に確認することをおすすめします。(実際、日本円決済をすると100倍の金額が請求されるバグに、異なる複数のツールで遭遇しました。これは日本円は小数点が無いことに起因しているようです。)

一方で、日本と比べると機能開発に積極的なところが多く、アップデートが頻繁に行われるツールも多いため、ニーズの高い機能はどんどん実装される方向にあります。例えば、LincWebが提供するLincUpは海外ツールがベースとなっていますが、毎週(多いときは毎日)何らかのアップデートが行われています。

また、世界中に多くのユーザーがいるため、Youtubeなどで情報を得やすく、規模を生かして安価に提供されているサービスが多いという特徴もあります。

こうした違いを考えると、いったいどちらのサービスを選ぶのがよいのでしょうか?

どちらを選ぶのがよいか?

どちらを選ぶのがよいかは、あなたが何を重視するかによるでしょう。以下の表に、重視するポイントごとに、どちらのツールを選ぶのがよいのかをまとめてみました。

重視するポイントおすすめ備考
価格が安いこと海外ツール市場が大きくユーザー数も多いため、同じレベルのツールが安く使えることが多いです。
日本語であること国内ツール日本語表示をサポートしている海外ツールもアリです。
また、最近はブラウザの翻訳機能を使うと表示の一部を日本化できること、使う機能はだいたい決まってくるため、使っているうちに英語に慣れてしまう方も多いです。
機能が多いこと海外ツール全般的に、ツールの機能性や他ツールとの連携に優れています。
サポート品質が高いこと       国内ツール海外ツールでも国内サポートがあれば選択肢になります。
国内ツールと海外ツールの選び方

なお、海外ツールの機能性と、国内サポートの安心感の両方を重視するなら、LincWebが提供するLincUpのような国内サポート付き海外ツールも選択肢になるかと思います。海外ツールのデメリットを抑えつつ、自動化を進めることができます。

まとめ

本投稿では、国内ツールと海外ツールの特徴の違いと、個人事業主向けのビジネス自動化ツールではどちらを選ぶのがよいかについて、お話ししました。1つ1つのツールにはまたそれぞれの特徴がありますので、無料トライアルなどで実際に触ってみてから決めることをおすすめします。

では、具体的にどのようなツールがあり、どう選択するのがよいのでしょうか?
次回は、主要ツールの特徴についてお話をします。

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この記事を書いた人

国内大手IT企業に16年間勤務し、研究開発やシステム開発に従事。
2017年にマレーシアに移住し、現地の日系IT企業へ転職。
現在は最高戦略責任者(CSO)として、ビジネス戦略や技術戦略の策定、
プロジェクトマネジメント、システム導入・運用までを幅広く担当。

また、ビジネスを安定して運営するための「仕組み設計」を専門とする「LincWeb」を立ち上げ、個人事業主のビジネス設計や、ツールを活用した業務自動化を支援している。

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